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福山市の転出超過・全国ワースト2位? データと客観的状況をきちんと分析し、アイデアや提案をみんなで!

2026.10.21 Wed
  • お知らせ

昨年、福山市の転出超過は2,585人。全国1,719自治体の中でワースト2位という数字がSNSで話題になりました。

 

「福山には魅力がないから、人が出ていく」
SNS上ではそう言われています…。

 

確かに、人口が流出しているという現実は、私たちが真剣に向き合うべき課題です。
しかし、この数字だけで「魅力がない」と簡単に結論づけることには、違和感があります。まずは、数字を正しく理解することが大切だと考えます。

 

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1. 数字の見方を変えると、まちの姿も変わる

 

この2,585人という数字は、総務省が公表している、「国内」の転入・転出に限ったものです。
「国外」からの転入も含めて見ると、福山市は418人の転入超過・人口プラスとなり、全国1,719自治体の中で上位180位(前年710位)という位置づけになります。

 

もちろん、国内の人口流出という課題がなくなるわけではありません。
ただ、何を含めるかによって、人口動態の見え方は大きく変わります。

 

福山市は、製造業の集積が全国と比べても厚く、介護分野の事業所も多いまちです。
こうした産業が、外国人の方々にとって働く場所の選択肢となり、福山への転入につながっていることも考えられます。

 

だからといって、安心してよいわけでも、課題がないわけでもありません。
大切なのは、人口の増減を一つの数字で判断するのではなく、誰が、どこから来て、どこへ出ていくのか、その実態を正確に把握することです。

 

まちづくりも政策も、正しい現状認識から始まります。

 

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2. 向き合うべき課題は、日本人の若者の流出

 

向き合うべき課題として深刻だと考えるのは、日本人の若い世代の転出超過です。
直近3年間(2023年~2025年)の、15歳~39歳の日本人の転出超過は、914人、1,155人、1,061人。
毎年約1,000人前後、3年平均で約1,040人が転出超過となっています。

 

年齢別に見ると、総務省の公表データが5歳刻みのため、ピンポイントの年齢での転出者数や、その理由の断定はできませんが、転出超過の60%以上(23年・約68%、24年・約63%、25年・約64%)が15歳~24歳でした。進学や就職を機に市外へ出る人が多いことが推察されます。

 

進学先の選択肢、希望する仕事や職種、賃金やキャリア形成、望むライフスタイル。
若者が福山を離れる背景には、さまざまな理由があると推察されます。

 

若者が市外へ出ること自体が悪いわけではありません。
外へ出て学び、経験を積み、活躍することは素晴らしいことです。
問題は、福山を離れた若者が、戻りたいと思っても戻れないこと。あるいは、最初から福山で働くという選択肢を持てないことだと感じます。
残ることも、いったん外へ出て戻ってくることも、魅力ある選択肢にする。その視点が必要だと考えます。

 

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3. 若い女性の転出超過と、パートナーの存在

 

SNSでは、「若い女性の方が、福山から多く出ていく」と言われています。データを見てみました。

 

福山市の全体人口は、男性が約48.6%、女性が約51.4%で、女性の方が若干多い街ではありますが、

 

15歳~24歳の転出超過者に占める女性の割合は、
・2023年は約65%。
・2024年は約60%。
・2025年は約59%。

 

人口全体の女性の割合(約51.4%)を上回っており、進学や就職の時期に、若い女性の転出超過者が多い傾向は確かにあります。

 

一方、25歳~39歳の転出超過者に占める女性の割合は、
・2023年は約45%。
・2024年は約32%。
・2025年は約20%。

 

と、25歳~39歳の年齢区分では、男性の方が転出超過者の多い傾向にあります。

 

女性の転出超過は、10代後半から20代前半が多くなります。

 

ただし、この数字だけで、転出の理由までは分かりません。
進学、就職、賃金、キャリア、結婚、パートナーの仕事など、推察はできますが、複数の要因を丁寧に調べる必要があります。

 

2019年、議会の視察で、福井市にある福井県の大学連携センター「Fスクエア」を訪ねました。福井県内の大学生の地元定着を進める施設で、当時は年間で約26,000人もの人たちが利用している施設でした。

 

職員の方に、「県外から進学してきた学生が、卒業後に福井県内に残る一番の理由は何ですか?」と尋ねると、「圧倒的に多いのは、パートナーの存在・パートナーの意向です。」というお答えでした。
定住を考えるうえで非常に大切な視点だと感じ、2019年12月議会で、大学生のパートナーとの出会いにも力を入れてはどうかと質問しました。

 

たとえば、福山で働き続けたいと思っている人でも、パートナーが希望する仕事を福山で見つけられなければ、別の地域で暮らす選択をするかもしれません。福山に戻りたいと思っていても、パートナーの仕事や子どもの教育環境を考えて、戻ることを断念することもあるでしょう。
「福山で働ける」だけでなく、「福山でパートナーと暮らし続けられる」。そこまで考えた定住政策が必要だと、福井市の視察で感じました。

 

本市では2024年度から「出会いの場創出事業」として、未婚の男女の出会いのイベントを継続実施しています。

 

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4. 転出者よりも、転入者の減少が問題ではないか

 

もう一つ、注目したいデータとして、本市では、2018年以降、若者(15歳~39歳)の転出者数は全体的に大きく変わっていない一方、転入者数が、『15歳~19歳の男性』『30歳~39歳の男女』で、顕著に減少しています。その結果、社会増減がマイナスに傾いています。

 

出ていく人を減らすだけでなく、福山に来てくれる人を増やすことも重要です。

 

福山には、ものづくりを支える企業、医療・介護などの仕事、暮らしの中で育まれてきた地域のつながりがあります。
だからこそ、「こうした強みを外に向けて十分に発信できているか」「市内企業の魅力を地元の高校生や大学生に伝えられているか」「福山出身で市外に住んでいる人に戻る選択肢を届けられているか」といった施策の検討が引き続き必要です。

 

「福山は住みやすい」と発信するだけでは足りず、ここで学べる、ここで働ける、ここで家族をつくれる、ここで自分らしい人生を送れる。その具体的な選択肢を示すことが必要です。

 

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5. 福山市として何をすべきか

 

人口減少対策に、魔法の杖はありません。

 

だからこそ、効果が期待できる政策を、一つずつ積み重ねる必要があります。
行政として取り組むべきことは、まずは、地元で学べる学びを、地元の就職につなげることだと感じます。

 

実際、福山市立大学は、2027年4月に情報工学部(学年定員80人)を開設する予定です。進学を機に福山を離れる若者がいる中で、地元で学べる選択肢が増えることは大切です。

 

あとは、大学と地元企業が連携し、インターンシップから就職までをつなぎ、「地元で学び、地元で働き、地元でキャリアを築く」流れをつくることが大切だと考えます。

 

そして、市内企業の魅力を、若者に届けることも大切です。
福山には、全国や世界で活躍する企業があります。しかし、若者がその存在を知らなければ、就職先の候補になりません。企業紹介、職場体験など、更に発信を強化し、「福山にもこんな仕事がある」と知ってもらう機会を増やしていくことが大切です。

 

その他にもいろいろと施策はあると思いますが、この課題は行政だけで解決できるものではなく、高等教育機関や地元企業の力も大いに必要です。

 

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6. 福山市だけで解決できる問題なのか

 

若者の流出、東京一極集中、地方の人口減少、少子化。
これらは福山市だけの問題ではなく、全国の多くの自治体が同じ課題を抱えています。

 

すでに、政策による自治体間の競争も目立っています。
各自治体が知恵を絞ることは必要です。しかし、全国の自治体が、限られた若者を取り合うだけでは問題は解決しません。
ある自治体が若者を呼び込めば、別の自治体から若者が移る。日本全体が縮んでいく・シュリンクしていく中で、自治体どうしの競争だけでは、根本的な解決にはなりません。

 

大学や企業、雇用が東京に集中する構造や、地方で希望する仕事を見つけにくい現実は、一つの自治体だけで変えられるものではありません。
地方が努力することと、国が構造を変えること。その両方が必要です。

 

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7. 地方が人を育て、都市が人材を集める構造をどう考えるか

 

子どもが生まれ、大人に成長するまでのその間には、地域の医療、福祉、教育など、多くの公的な支えがあります。
福山市をはじめ各地方自治体は、限られた財源の中で、次の世代を育てています。

 

ところが、進学や就職を機に若者が東京等の都市部へ移れば、地方は人口だけでなく、地域を支える担い手や経済活動も失いやすくなります。
地方が地方の財源を使って子どもたちの育ちを支え、大人になったらその子どもたちは、都市部に移り住み、その都市部に住民税を納め、経済活動も行う…その構造は地方にとっては非常に厳しい構造です。
人材や企業、経済活動が都市部に集中することで、地方と都市部の間に、行政サービスを支える力の差が生まれやすくなります。

 

若者が東京で活躍すること自体が問題なのではありません。どこで学び、どこで働くかは、一人ひとりの自由です。

 

問題は、地方で育った人が、地方でも希望する仕事やキャリアを実現できる選択肢が十分にあるのか。そして、人材育成を支える地方の負担と、都市部への集中を、国全体でどう考えるのかということだと思っています。

 

国においては、大学・高等教育機関の地方分散、東京への進学集中を緩和するため、東京23区の大学の定員増を原則認めない規制を、2018年から10年間の時限措置で始めました。
2028年3月末に期限を迎えるこの制度ですが、現在、国の有識者会議で、継続するかどうかが議論されています。一方、東京都は撤廃を求めており、東京都議会も10月8日に、撤廃を求める意見書を可決しました。

 

私は、規制を続けるかどうかだけでなく、地方に学ぶ場所があり、働く場所があり、希望する生活を実現できる。そこまで一体的に、地方自治体だけでなく、国も一緒に考えなければ、若者の流れは変わらないと考えます。

 

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8. 福山の未来を、数字だけで決めつけない

 

繰り返しになりますが、人口減少対策に魔法の杖はなく、全国の自治体が困っている、日本全体の構造的な課題です。
だからこそ、福山市として努力すべきことと、国が責任を持って取り組むべきことを、分けて考える必要があります。

 

「福山は魅力がない」と嘆くだけでは何も変わりませんし、一方で、福山市だけが努力すれば解決できると考えるのも、現実的ではありません。

 

福山には、ものづくりをはじめとする産業があります。地域を支える企業や、働く人たちがいます。暮らしの中で培われてきた、地域のつながりがあります。その強みを伸ばしながら、若者が学び、働き、パートナーと暮らし、将来の家族の姿を描けるまちにしていく。

 

福山の課題から目をそらさず、同時に、国が取り組むべき課題にもしっかりと声を上げていく。市議として、データと客観的な状況に基づいた議論と、具体的な政策提言を続けていきます。

 

またぜひ皆さまからもアイデアやご提案をお待ちしております。
長文をご覧いただきありがとうございました。

皆様からのご意見・ご感想をお待ち申し上げております。