目安箱

昨日、議会本会議にて通算18回目の一般質問の機会をいただき、市長、教育長を始め、行政と議論させていただきました。

2023.12.06 Wed
  • お知らせ

今回の私の質問の主旨と、市長・教育長のご答弁を、要約、一部抜粋にてお伝えします。

 

質問に対する行政側との全ての詳細なやり取りは、また後日、録画映像や議事録が公開されますので、そちらもご覧いただけると大変嬉しいです。

 

今回の質問項目も、私のホームページ上での市民の方々からの市政へのご意見やご要望をお聞かせいただくシステムである、「福山目安箱」に寄せられた、市民の方々からの生の声も参考にさせていただき、質問を構成しました。

 

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1、保育士復職相談事業について

 

保育士の資格を持っているものの、現在保育の仕事に就いていない、いわゆる「潜在保育士」が、厚生労働省の調査によると全国に107万3千人いるとされる中、本市における保育士の人材不足の状況をお聞きしました。

 

また、本年度から始まった、復職を希望する保育士と保育施設の橋渡しをする事業である、保育士復職相談事業についての今後の方向性についてお尋ねしました。

 

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それに対し市長から、

 

「回答があった92施設中58施設が保育士不足であり、必要な保育士は135人である。

 

保育士復職相談事業は、保育施設課内に相談窓口を設置し、コーディネーターが復職を希望する保育士の意向を丁寧に聴く中で、希望にあう施設とマッチングを行うものである。

 

今後、この事業の周知を図ることで、復職者数を増やし、保育士不足の解消に繋げていく。」

 

とご答弁をいただきました。

 

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2、子どもの見守り体制について

 

ICTを活用した子どもの登下校の見守りサービスの導入ついてお尋ねしました。

 

またICTを活用した見守りサービスが構築できれば、支援が必要な高齢者の見守りサービス等にも活用することが可能となり、より安心・安全なまちづくりに繋がることになります。高齢者への施策についても併せてお聞きしました。

 

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それに対し市長、教育長から

 

「子どもの見守りは、ICTを活用したものを含め、社会全体でより安全の確保を図っていく必要があると考えている。

 

高齢者の見守りサービスについては、ICTを活用した効果的な見守りの仕組みづくりについて検討していく。」

 

とご答弁いただきました。

 

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3、放課後児童クラブの開設時間延長について

 

現在,市内にある72箇所の放課後児童クラブ中、5クラブが開設時間を延長しています。
今後、本市としては市内全クラブの開設時間を延長していくのかお聞きしました。

 

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それに対し市長から、

 

「今後、人員確保に取り組みながら、開設時間の延長クラブを拡大していく。」

 

とご答弁をいただきました。

 

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4、 21世紀型スキル&倫理観について

 

本市は、2016年より「福山100NEN教育」をスタートし、その根幹として「21世紀型“スキル&倫理観”」を子どもたちに育むための取り組みを進めています。

 

21世紀型“スキル&倫理観”とは、これまでの知識・技能を活用する力等の「認知能力」に加え、いわゆる「非認知能力」の獲得にも注力していくことです。これまでの取り組みの具体と成果、今後の課題についてお聞きしました。

 

また非認知能力の獲得は、就学後よりも、就学前の段階でより効果的に獲得できるという研究結果が示されています。就学前施設での、子どもたちへの非認知能力獲得に向けた取り組みの状況についてもお聞きしました。

 

非認知能力の獲得については、これからの社会を考えたときに必要なものだと感じています。とはいえ一方で、認知能力もないがしろにすべきではないと感じています。

 

認知能力の代表的なものが「学力」ですが、本市としては学力向上に向け課題も多くあると感じています。
今後、学力向上に向けて様々な取り組みをしていく必要があると感じます。

 

現在は、様々な成績の子どもたちが1つの教室で学習をしていますが、それによる弊害もあると感じています。勉強が苦手な子どもたちは、ずっと分からないまま教室で学び続けないといけない環境にあります。その環境は、学力の向上ができないばかりか、「自分は分からない人、できない人」というマインドや価値観に教室内でなりやすく、非認知能力の獲得に向けても弊害があると感じています。

 

勉強が分からないまま教室に1日中居続けることで、市教委の目指す非認知能力の獲得は難しいと感じています。

 

であるならば、到達度別クラス編成を行うなど、学力向上と非認知能力獲得を目指せる取り組みもすべきだと感じ、市教委の考えをお聞きしました。

 

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それに対し教育長から

 

「これまでの取り組みの中で、乳幼児期の環境が、就学後の学力の基盤となる語彙数、言葉の情報処理能力等に大きく影響するという知見に基づき、学びづくりフロンティア校事業を始めたが、学習の積み残しが解消できていないという課題が固定化する状況があり、昨年度改めて、法人立等も含め、幼保小連携・接続の体制を整備した。

 

現在、就学前施設においては、認知能力と非認知能力が相互に関連しながら育まれていくよう、遊びを通して人や環境と関わる保育を進めている。

 

各小学校区を基本とする連携協議会では、幼保小の教職員が、互いの保育・授業を参観・協議しながら、学びを繋ぐカリキュラムを編成している。

 

こうした取り組みを進める中で、今年度の全国学力・学習状況調査において、非認知能力に係る質問の肯定的回答が、全国平均を上回った。

 

一方で、教科の平均正答率は、小学校は概ね全国平均より高く、中学校は低い状況が続いている。

 

ICTも活用して、個別最適な学びと協働的な学びを組み合わせながら、学力の向上に取り組んできているため、到達度別クラス編成を行うことは、考えていない。」

 

とご答弁をいただきました。

 

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それに対し、更なる議論と要望を私から。

 

本当に子どもたちが非認知能力を獲得できたのかという指標とするため、子どもたちの追跡調査をしていただきたいと要望しました。

 

取り組みを始めて7年経過し、当時、中学1年生だった子どもたちは、現在20歳です。
教育の成果が出たかどうかは、大人になってから分かることも多々あります。本市の教育方針が間違っていなかったことのエビデンスは、大人になったときの評価もあります。だからこそ海外では追跡調査をし、研究をしています。そのため子どもたちの追跡調査を要望しました。

 

一方で、認知能力(学力)に関してですが、全国学力・学習状況調査における、ここ5年間の広島県内順位の推移を見ると、かなり苦戦をしているのが実情です。

 

2019年より(2020年は中止)、2023年までの県内順位(23市町中)の推移は、

 

小学校 14、23、22、19
中学校 17、21、23、21

 

となっており、かなり苦戦が続いています。
だからこそ抜本的な改革が必要です。

 

そのため私は、到達度別クラス編成を提案しています。
学校は授業でほとんどの時間を費やしているシステムです。その中で、勉強がクラスでできない子どもたちが、本当にその学校生活の仕組みの中で、市教委が言うような、非認知能力の獲得ができるのか?、更に言及すると、自己肯定感が下がるのではないか、ととても懸念があります。

 

研究結果が出ていますが、子どもたちは、半径5mの人間関係の中で、無意識に自己肯定感や自分の立ち位置を決めているという研究結果があります。クラスメイトは大きな影響を与えています。

 

これだけの学力課題があるので、一度、到達度別クラス編成をチャレンジしていただきたいと要望しました。

 

市教委は、学校規模の適正化を掲げて学校再編をしました。それはある意味で、到達度別クラス編成をしやすい環境になりました。なぜならクラス編成をするためには、一定規模の生徒数が必要だからです。

 

また、勉強が分からないことで不登校になっている子どもたちもいます。到達度別クラス編成は、その課題への対応も可能になります。

 

加えて、教える教員側の負担も減ります。同じレベルの子どもたちが集まっている方が遥かに教えやすいです。
現に、学力向上を目指す学習塾では、多くの場合、レベル別にクラス編成し、効率的・効果的に学力向上を目指しています。

 

更に、到達度別クラス編成をすれば、特に勉強が苦手な子どもたちが、授業内で「できた」「分かった」という小さな成功体験を積み重ねることができます。この小さな成功体験の積み重ねが、自己肯定感に良い影響を与えます。

 

以上の理由から、試験的でも良い、モデル校設定でも良いので、到達度別クラス編成の取り組みをしていただきたいと強く要望をしました。

 

特に、算数・数学や英語などの積み上げ型の教科での実施をお願いしました。
算数・数学や英語などの積み上げ型の教科は、一度つまずいてしまうと、そのあと全て分からなくなる可能性がある性質の科目です。
現在、こういった科目に学校内で補習などのサポート制度はありません。

 

学校内の勉強でつまずいた子どもたちが、再び授業内容が理解できるまで遅れを取り戻すには、各家庭で、学習塾や家庭教師に頼るしか道がないわけです。

 

だからこそ到達度別クラス編成実施への要望を行いました。

 

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以上です。
長文を最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。

 

皆様からのご意見・ご感想をお待ち申し上げております。