目安箱

一昨日、議会本会議にて通算17回目の一般質問の機会をいただき、市長、教育長を始め、行政と議論させていただきました。

2023.06.21 Wed
  • お知らせ

今回の私の質問の主旨と、市長・教育長のご答弁を、要約、一部抜粋にてお伝えします。

 

質問に対する行政側との全ての詳細なやり取りは、また後日、録画映像や議事録が公開されますので、そちらもご覧いただけると大変嬉しいです。

 

今回の質問項目も、私のホームページ上での市民の方々からの市政へのご意見やご要望をお聞かせいただくシステムである、「福山目安箱」に寄せられた、市民の方々からの生の声も参考にさせていただき、質問を構成しました。

 

また、今回質問をした「4、教職員のメンタルヘルス対策について」は、昨日、朝日新聞において同内容の記事が、Yahoo!ニュースの主要トピックスとなり、配信されていました。
今、全国的に注目されている課題だと感じています。
教育環境の整備のために、今回非常にタイムリーに市教委に対して問題提起ができ、とても良かったと感じています。

 

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1、少子化対策プロジェクトについて

本市は、今後の少子化に向けた課題として、その前段階である、未婚化や晩婚化、出生数の減少に着目され、その背景として、若者の所得や雇用等の経済的な不安定さや、出会いの機会の減少など、少子化の背景にある課題解消に向けた対策に取り組もうとされておられますが、それぞれの課題解決に向けた取り組みへの具体をお聞きしました。

 

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それに対し市長から、

 

「先日、少子化対策の庁内プロジェクトをスタートした。

 

これまでも全力で人口減少対策に取り組んできたが、2011年と2021年の数値を比較すると、出生数は約1300人減少した。

 

今後は、庁内プロジェクトを中心に、専門家への意見聴取やニーズ調査を行い、その結果を分析するとともに、9月を目途に、効果的な施策の方向性を取りまとめていく。」

 

とご答弁をいただきました。

 

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それに対し、更なる議論と要望を私から。

 

出生数はここ10年で1300人減少、合計特殊出生率も1.70から1.53へと急速に下がりました。このままいくとかなり深刻な事態となり、街の持続性の観点から見ると、喫緊の課題で、かなりスピード感を上げた対応をしていかないといけないと考えています。

 

本市が課題としている未婚化や晩婚化、出生数の減少、若者の経済的な不安定さにおけるハードルや課題の圧倒的な一番の要因は、「経済的理由」によるものです。
であるならば、少子化対策に対してどこまで本腰を入れてもらえるのか、子育てへの経済的支援という、子どもに対する投資をどこまで街としてできるのか、にかかっています。

 

岡山県奈義町は2.95という非常に高い合計特殊出生率を誇っていて、全国からも注目を浴びています。
ここはどんな施策をしているかというと、基本的には経済的支援が主な施策です。
1つの成功事例、エビデンスとして、経済的支援があれば、出生率は上がるというのが示されています。
こういった先進事例も参考に、様々な経済的支援を要望しました。

 

また、もう一つの課題である若者の出会いの機会の減少に対して、以前本市も取り組んでいた婚活のための出会いの場の提供という取り組みの復活を要望しました。

 

また、少子化対策をするにあたって、出生数を上げていくには、本市への若者の定住、それから移住促進のための施策も重要だと考えています。
若者の移住者には、例えば、引っ越し費用であったり、車の購入費用の補助など、新たな施策の検討を要望しました。
若者の移住定住施策の効果が出れば、本市へ居住し働いてもらえることで納税者になってもらえ、各企業にとっては労働力として力になってもらえ、更に、消費活動を行う消費者として街の経済を支えてもらえるという、街にとって多くのメリットがあります。
移住定住施策の更なる充実を要望しました。

 

返す返すも、どこまでこの少子化という課題に対して、市として向き合っていくのかが本当に問われている課題です。今後、経済的な理由で結婚や出産を控えている現状がある以上、外部の有識者会議でも指摘がありましたが、保育料や教育費の在り方はどうあるべきなのかをもっと検討していただくこと、全ての子どもたちが公平に支援が受けられる仕組みづくりを更に検討し進めていただくことを強く要望しました。

 

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2、市民窓口のデジタル化について

現在本市では、書かない窓口システムを導入していますが、現在までにこのシステムが実際に使われた件数と、窓口での総件数における割合をお聞きしました。

 

また、このシステムを導入する前の窓口における手続きの平均所要時間と、導入後の所要時間をそれぞれお聞きしました。

 

先日視察に行った北海道北見市では、独自開発の「窓口支援システム」を導入され、来庁者が申請書に全く手書きすることなく手続きができる「書かない窓口」と、複数の部署をまたぐ手続きが1つの窓口で完了するワンストップの窓口サービスを実現していました。

 

この窓口支援システムでは、必要事項を印字した届け出書や申請書が、コンピューターによる自動入力で作成、印刷され、来庁者はこの内容を確認し、署名するだけで必要な書類が出来上がるという仕組みで、住民票であれば、手続き開始から受け取りまでわずか3分という速さでした。しかも、この3分間の間に、別の申請手続きの要不要の聞き取り作業も同時進行で行われており、体感的には書類受け取りまで待ち時間があったという感覚はほぼないと感じました。
このシステムにより、利用者は複数の窓口を巡る必要もなく、約150もの申請が可能です。
それにより、利用者の利便性向上だけでなく、職員の業務効率改善にも貢献しているとのことでした。

 

今後本市でも、利用者の利便性向上や、職員の業務効率化、また人件費削減や、人材不足への対策のためにも、早期にこういったシステムの導入の検討が必要と感じ、お考えをお聞きしました。

 

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それに対し市長から

 

「本年3月から導入した『書かない窓口システム』を利用した件数は、5月末で2199件、総受付件数の3.6%だった。

 

システム導入以前の手続きにかかる平均所要時間は、証明書発行が約20分、住民異動届に関する手続きが約60分だったが、これは導入後もほぼ変わらない。

 

今後の書かない窓口システムについては、2025年度のシステム標準化に合わせて、住民記録システムなどの基幹システムやマイナンバーカードとの連携を行うことにより、手書き部分の更なる簡素化や証明書発行の自動化に加え、対応可能な手続き数が、現在の8つから約200に拡充される見込みであり、ワンストップサービスを大きく進めることができると考えている。」

 

とご答弁いただきました。

 

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それに対し、更なる議論と要望を私から。

 

2025年度のシステム標準化に合わせたい市の想いは理解できますが、市民の方々の利便性向上に向け、手続きの待ち時間・所要時間の大幅削減のためのRPAの導入と、他の手続きのために別階のフロアを市民の方々が巡回することを無くし、手続きの漏れを防げ、多くの事務手続きが1つの窓口で完了できる、ワンストップ窓口の整備を要望しました。

 

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3、デジタル採点システムの導入について

テストの採点にデジタル採点システムを導入している中学校が市内に複数あります。

 

これは、テストの採点・集計業務をデジタル化し、校務をDX化して、学校における働き方改革を促進する狙いのもと、導入を決めているとのことで、導入を決めた学校の中には、教育振興費ではまかなえず、別会計からの出資や保護者負担を求める形などで資金をまかない、導入をしている学校もあると聞いています。

 

このデジタル採点システムを導入することのメリットは複数あり、採点の集計ミスの減少、テストの採点時間の削減と生徒対応や教材研究の時間の捻出、生徒個々人の状況分析による個別最適化した学びの提供、正答率の分析による教員の授業改善など、多くあります。特に学校規模が大きくなればなるほど、そのメリットは大きくなる仕組みです。

 

数年後、市教委は、市内全校で校務管理のDX化を計画していますが、その時に、今、複数校で導入している採点システムと違うシステムを導入する場合、すでに導入している学校では、そのシステムは使用中止となり、導入に要した費用も無駄な費用となってしまいます。しかもその資金は、教育振興費以外からの出資や保護者負担といった、学校外の会計から捻出している資金もあります。

 

また教職員たちは新たなシステムの使い方を覚えていくという労力が発生します。今後、DX化を予定している数年の間に、このデジタル採点のシステムは、教職員間のネットワークを通じて各校へ更に情報が伝わり、導入を決めていく中学校が今後も増えていくのではと考えます。

 

であるならば、早期にまずはこのデジタル採点の仕組みだけでも全校統一のシステムを導入すべきだと考え、お考えをお聞きしました。

 

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それに対し教育長から、

 

「現在30校中13校がシステムを活用している。
学校からは、設問ごとにまとめて採点することができ、得点集計もされるため、時間短縮につながった等の声がある。
一方、テストごとの集計の設定に負担が大きい等の理由から、活用を見送った学校もある。

 

本市では、2025年度に教職員の業務改善等を目的とする統合型校務支援システムを導入する予定である。
この導入にあたり、デジタル採点システム機能等についても、教職員の声を聞きながら検討していく。」

 

とご答弁をいただきました。

 

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それに対し、更なる議論と要望を私から。

 

教育長のご答弁で、残業率が全国と比較してかなり低い数字、小学校5.8%、中学校28.7%をお示しいただきましたが、これは校内には残っていなくても、業務の自宅への持ち帰りによって仕事をしている教職員がいるからであり、加えて、テストのような個人情報を含む業務の持ち帰りは、様々なリスクがあることを指摘しました。

 

だからこそ、業務時間内にできるだけスピーディーに採点でき、持ち帰りリスクも削減できるデジタル採点システムの導入を、きちんと予算化して早期に進めていただきたいと再度要望をしました。

 

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4、 教職員のメンタルヘルス対策について

文科省は昨年、公立学校の教職員のメンタルヘルス対策を強化すると発表しました。

 

精神疾患で病気休職している教職員について原因を分析し、対策を考えて実行し、効果を検証するとのことです。文科省調査によると、毎年度、約5,000人の教職員が精神疾患で休職しているとのことで、休職によって授業に影響が出たり、他の教職員の負担が重くなったりする等、問題も深刻化しています。

 

文科省はその原因として、残業時間の多さや保護者対応の難しさが精神の不調に繋がっていると結論を出しました。
本市として、精神疾患による休職の教職員の現状や原因分析をどう行っておられるのか、またその原因分析により、これまでどんな対応をされてこられたのかお聞きしました。

 

また休職まではいかなくても、精神的なしんどさを抱えた教職員の把握を市教委としてしているのか、しているとすれば現状どういった対応をされているのかお聞きしました。

 

今後、教職員のメンタルヘルス対策のために、必要に応じて心理カウンセリングを受けられるような体制づくりを更に充実すべきと考え、メンタルヘルスへの今後の体制づくりのお考えをお聞きしました。

 

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それに対し教育長から

 

「精神疾患の原因は、学級経営、授業、保護者連携、職場での人間関係、プライベートの悩みなどが重なっている。

 

教職員が子どもと向き合う時間を確保し、本来の業務に専念できるよう、校務補助員の拡充、部活動指導員の導入、指導要録・出席簿などのデジタル化、17時以降の電話連絡制限、留守番電話設置などの環境整備をしてきた。

 

病休・休職者以外の精神的なしんどさを抱えた教職員については、管理職からの報告、学校訪問などにより、個別に状況を把握している。
必要に応じて面談を行い、業務の見直しや支援の内容について、学校と連携するなど改善に向けた取組を行なっている。

 

現在、産業医と連携している学校は、教職員が50名以上在籍する13校の内10校であり、全体の約9.8%である。
昨年度、産業医の面談指導を受けた事例は2例だった。
引き続き実効性のある制度運用に努め、働きやすい職場環境づくりに取り組んでいく。」

 

とご答弁をいただきました。

 

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それに対し、更なる議論と要望を私から。

 

教育長のご答弁にあったように、現在全教職員数から見ると、休職者等は、そこまで大きな数ではないですが、現在教職員の人材不足の中、なり手が少ない中で、文科省も提言しているように、今後、こういったしんどさを抱える教職員が増えていくリスクもあって、この分野への支援というのは今後必須の課題です。

 

精神疾患の場合、休職者と認定されるには180日以上の欠勤、つまり6か月以上欠勤しないと精神疾患による休職者と認定されないそうですが、それに該当せずとも精神的にしんどさを抱えた教職員は結構な数いると推察されます。

 

私が思うに、基本的に、学校の先生はとても真面目で、それゆえに仕事に穴をあけてはならない、休んではならないと、本当はメンタル的にしんどさを抱えていても、自己犠牲の精神で頑張っておられる方も多いと思っています。

 

今どこの学校にも子どものカウンセリングのために、スクールカウンセラーが配置をされていますが、教職員のためのカウンセリングシステムは現状ありません。
産業医との連携を進めていますが、昨年度1年間で利用はわずか2名という状況です。
利用の少なさは色んな要因があると思いますが、そもそも産業医の利用には、平日に休みを取って行かなければならず、学校の先生たちは特に担任等持っていたら休みにくい環境です。
更に、精神科や神経科に行く心理的なハードルはかなり高いと思います。そこに行く自分を受け入れる心の作業が入るためです。
加えて、今、市内どこの精神科クリニックも予約が一杯でなかなか診察が受けられない状況です。

 

しかしながら、メンタルケアは早期に対応することで予後も良くなります。

 

そこで、心理カウンセリングを受けやすい仕組みづくりをぜひしていただきたいと要望をしました。
例えば、市教委がカウンセラーと契約して巡回で各学校を回ってもらうとか、電話やオンラインでもカウンセリングが受けられる仕組みを整えるとか、要は、休憩時間や勤務後や学校が休みの日に、気軽に話を聞いてもらえる仕組みを整えていただきたいと要望しました。

 

また、文科省調査でも、教育長のご答弁にもあったように、保護者対応によりしんどさを抱えている教職員も中にはいます。以前議会でも要望して、その時に前向きなご答弁もいただいていますが、ぜひ早期にスクールロイヤー制度も整えていただきたいと要望しました。

 

また、業務の多さの負担もある場合もあります。業務の分業化ももっともっと進めていくことも要望しました。教職員がする必要のない業務、教職員でなくても良い業務をどんどん現場から取ってあげるべきだと要望しました。
子どもたちへの教育の質を上げていくために、子どもたちが安心して学べる環境を創り出すために、そのために教職員がより安心して働ける環境、やるべき業務に集中して取り組める環境整備への要望をしました。

 

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以上です。
長文を最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。

 

皆様からのご意見・ご感想をお待ち申し上げております。