ずっと訪れたかった神奈川県川崎市にある、障害者雇用率日本一の会社「日本理化学工業」を視察させていただきました。
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ずっと訪れたかった神奈川県川崎市にある、障害者雇用率日本一の会社「日本理化学工業」を視察させていただきました。
この会社は、全従業員86人中、64人が知的障害のある方(内26人が重度の知的障害のある方)で、実に全従業員の内70%以上が知的障害のある社員の方々で、学校で使うチョークの製造を主とした会社です。
坂本光司さんによるビジネス書「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)で紹介されたことで一躍有名になりました。
以前、私のメールマガジンでもご紹介させていただいた会社です。
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この会社、実に正社員の70%以上が知的障害のある方々です。
しかしながらこの会社、もともとは障害者雇用とは無縁の会社でした。
しかしある出来事をきっかけに、障害者雇用率日本一の会社になります。
その出来事とは…?
現在の日本理化学工業会長であられる大山泰弘さんが、まだ若かりし全権委任をされた専務だった時代まで話は遡ります。
ある日、特別支援学校の先生から、知的障害のある二人の少女の就職先として受け入れて欲しいと、大山さんへ要請があったそうです。
しかし大山さんは、障害者の方を雇用したことなど全く経験がなく、何度もお断りしました。
それでも特別支援学校の先生が何度も何度も熱心にお願いと説得に来られました。
その先生の熱意に押される形で、仕方なく、最初は同情心もあり、無給の2週間の職場体験ならという条件で採用を決めました。
「無給だしきっとすぐに音を上げて辞めていくだろう…」最初はそう思っていたそうです。
しかし彼女たちは、雨の日も風の日も、満員電車に乗って毎日毎日休まず通勤してきます。
そして単純作業の仕事にも文句ひとつ言わず、他の従業員に叱られても、「もう来なくてもいい!」と怒鳴られても、それでも歯を食い縛り、時に机にしがみついてでも職場から離れることなく、いつも真剣に、全身全霊で取り組んでいたそうです。
大山さんは、このことに大きな疑問を抱きます。不思議な気持ちで一杯でした。
「彼女たちは施設で楽に過ごすこともできるのに、なぜ一生懸命働いているのか?」と、その疑問で心が一杯になったそうです。
そんなある日、たまたま参列した法要であるお寺のご住職と隣の席になりました。
そのときにそのご住職にその疑問をぶつけてみました。
すると、ご住職はこうおっしゃいました。
「人の究極の幸せとは、この4つなんです。
①人に愛されること
②人に褒められること
③人の役に立つこと
④人から必要とされること
障害のある方々が、あなたの会社で働きたいと願うのは、社会で必要とされて、本当の幸せを求める人間の証なのです。」と。
この日を境に大山さんは、1人でも多くの障害のある方々に「働く幸せ」を感じてもらえるようにしたいと考えるようになったそうです。
その日から実に59年、障害者雇用にご尽力されてらっしゃいます。
最初に職場体験に来られた特別支援学校の二人の少女(当時17歳と15歳)たちは、その後、65歳と68歳になるまで勤めあげたそうです。
このエピソードを初めて聞いたとき私は、魂が震えるのを感じました。
私が様々な立場や場面を通して関わっている子ども達一人一人にも、この4つの幸せを心から実感できる、そんな大人になってほしい、そんな大人になってもらえるよう関わりたいと、更に、今以上に決意と覚悟をさせていただきました。
そして改めて「幸せとは何か?」ということを考える、大切なきっかけとなりました。
本日は、大山会長のご子息である、現社長の大山隆久さんにお会いさせていただき、様々なお話をお聞きし、会社も見学させていただきました。
実践されておられる一つ一つの手法は、会社だけでなく、教育現場や福祉現場など、様々な場所で応用できる内容で、大変勉強になりました。
今日の出逢いに心から感謝いたします。
今日学んだことを活かしていくその仕組み化をこれから進めてまいります。
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